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東京都

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取組内容

研究

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他大学

法政大学

メカノケミカル法を用い、精密に光触媒を合成するプロセスを開発 -環境低負荷で簡便なプロセスによる可視光活性光触媒の合成を実現-

2021年8月3日

取組概要

法政大学生命科学部、大学院理工学研究科、マイクロ・ナノテクノロジー研究センター 石垣 隆正 教授らは、広島大学 大学院先進理工系科学研究科 樽谷 直紀 助教(法政大学マイクロ・ナノテクノロジー研究センター 客員研究員)、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)機能性材料研究拠点 打越 哲郎 グループリーダー(法政大学マイクロ・ナノテクノロジー研究センター 客員研究員)との共同研究により、メカノケミカル法という低環境負荷で簡便なプロセスを制御して、可視光活性が高温熱処理で上昇する新しいタイプの光触媒を精密に合成するプロセスを開発しました。酸化チタン光触媒の機能を高めるために行ったニオブ添加光触媒を対象とし、メカノケミカル効果を直接観察して、機能発現メカニズムを提案しました。

メカノケミカルプロセスでは、粉砕ボール同士の衝突により、局所的、ごく短時間生成する高エネルギー反応場をつくることが可能であり、従来、多様なメカノケミカル作用が提案されてきました。本研究では、プロセスそのものを観測するのではなく、メカノケミカル法によってつくった粉末を詳細に観察することによって、プロセスの制御性を高めることに成功しました。

このメカノケミカルプロセスを光触媒粉末の合成に利用しました。酸化チタンは優れた光触媒材料として知られています。酸化チタンに光を照射すると励起された電子とその抜け穴である正孔が生成します。この電子と正孔の固体表面反応により、反応性の高い化学種が生成し、人間にとって有害であったり、不快な匂いのする化学物質が酸化分解されます。この光誘起酸化分解作用に加えて、光照射により固体表面の水に対する濡れ性が高まる作用も知られています(光誘起超親水性)。酸化分解作用と超親水性化を利用すると、固体表面で分解された汚れは、雨で簡単に除去され、メンテナンスフリーの汚れない壁面になります。

成果

粒子表面の反応性上昇に関するメカノケミカル効果を電子顕微鏡で直接観察しました。この効果は他の材料系にも応用可能であり、メカノケミカル法の有効な活用法の拡大が大いに期待されます。メカノケミカル処理は、反応容器に粉末と粉砕ボールを入れて反応容器を回転するだけの簡単なプロセスであり、大量処理が可能です。化学的な精密操作を取り入れるとさらに有益なプロセスとして汎用性が高まります。

関連リンク

https://www.hosei.ac.jp/info/article-20210728110322/