取組概要
公共政策研究を専門とする法学部法律学科の土井美徳ゼミでは、社会課題を自ら見つけ、その解決法を理論と実践の両面から学ぶことを目的に、「課題解決型授業(PBL)」の学習方法を採り入れている。ゼミでは2年後期から3年前期にかけて約30名が6グループにわかれ、地方創生の視点から首都圏にある自治体から一つを選び、その地域の課題を見つけて解決案を考えて学内で発表している。埼玉県の東秩父村の高齢化や人口減に着目した学生が現地でのフィールドワーク等を重ねるなか、学生の思いに応えようと村長や商工会会長が中心となり、報告会が開かれた。
成果
報告会では2班が発表。A班は「Feeling JAPAN in 東秩父村~観光事業による東秩父村の地方創生~」と題し、外国人訪問客をターゲットに村の観光資源を生かした1泊2日のアクティブ型ツアーを提案した。プランには、手すき和紙体験や農業体験、牧場でのアイス作り、みかん狩り、そば打ちなどを盛り込んだ。
B班は「和紙体験プログラムと観光客の移動の円滑化による交流拡大」をテーマに掲げた。ユネスコ無形文化資産に登録されている和紙を用いた絵馬作りのほか、スマートフォンの専用アプリを使った配車サービス「Uber(ウーバー)」を使った観光客の移動の円滑化を提案した。発表後には、住民とまちおこしについて意見を出し合うワークショップも行われた。
学生の発表を聞いた住民らは「住民の視点では思い浮かばない新しい提案を聞くことができて良かった。村の活性化のために何度も足を運び作成したプランには、具体性や実現性があって素晴らしかった」と感想を寄せた。
学生らは10月に東秩父村主催で実施される日帰りツアーに、ボランティアとして携わることにしている。